立場を利用してやたら女性に接近しようとする
私が所属する派遣会社から送り込まれたスタッフに限っても、多くの方は優秀な熟練者だったものの、唖然とするような“困ったちゃん”が少なからずいました。中でもとりわけ強く印象に残っているのは、こんな人たちです。
(以下、すべて仮名。OP=オペレーター、LD=リーダー、SV=スーパーバイザー)
・小野さん(SV、男性・50代半ば)
SVの中でも、責任者的な立場にあった人です。にもかかわらず、これがただただ呆れるばかりのトラブルメーカーでした。
まず、働く気がない。OPが入電者とのやりとりの最中、不明点が出てきて管理者の指示を仰ぐため挙手しても、他のSVやLDに命じて質問対応に行かせるだけで、自分からはまず動きません。ごくごくまれに手上げ対応することがあっても、OPの疑問に的確に答えてくれないので役に立ちません。
かといって責任者としてどんと構え、押さえるべきところを押さえているというわけでもなく、毎日定時きっかりになると、他の管理者がまだ忙しそうに働いているというのにさっさと帰ってしまいます。
そうした怠慢ぶりもさることながら、この男の何が一番問題かといえば、自らの立場を利用してやたら女性に接近しようとするのです。
こんな人物が当初、なぜ私たち全体のボスだったのか
何人かいるお気に入りの若い女性OPを相手に、仕事そっちのけでずっと話し込むというのが彼の勤務態度のデフォルト。声をかけられた側のOPも、相手がSVなので無下にあしらうわけにもいかずしばらくはつきあうのですが、やがて彼は必ず、「業後、飲みに行こうか」と誘いをかけてくるのです。あまりにしつこいので断りきれず、一回だけほんの短い時間でいいならと応じた女性OPに尋ねてみたことがあるのですが、「話が退屈すぎて死にそうだった」とか。
さらに彼のお気に入りOPの中には、「俺が持ってるのとお揃いだから」と、とても着る気になれないセンスのTシャツをこっそりプレゼントされ、処分に困っていた女性もいました。
パワハラ、セクハラやり放題の彼の正体は、OP陣はもちろん、SVやLDの間にもすぐに広まったようです。いつの間にか管理者トップの座を降ろされ、ヒラのSVに。こんな人物が当初、私たち全体のボスだったことがむしろ不思議なのですが、他の管理者によれば、「単に一番年寄りだったからじゃないの?」だそうです。