『天気の子』『万引き家族』とも共通するテーマ

天気の子』『万引き家族』『鬼滅の刃』。2010年代後半を代表する三つの作品には、親、大人、他人、ヒーローなどはもはや当てにならない、「自分が父性を発揮し、自分で状況を覆すしかない!」という全く共通の父性テーマがありました。これがたまたまの偶然であるはずはなく、間違いなく必然なのです。現実の父性不在を嘆いたクリエイターたちの共通の結論。自分で父性を発揮して突破せよ! その一点です。

樺沢紫苑『父滅の刃 消えた父親はどこへ』(みらいパブリッシング)

コロナ危機で多くの人は感じたはずです。政府も、地方自治体も、WHOも全く当てにならない。科学者は人によって言うことが違うし、何を信じていいのかわからない。マスコミなどは、危機を煽るだけのむしろマイナスの存在。

国家も巨大な組織も、何もかも当てにならない。ではどうするのか? 自分の健康は自分で守るしかない。自分で情報を集め、何が正しいかを自分で判断するしかない。そして、自分で決断し、自分で行動するしかない。

日本でコロナの死亡者が少なかったのは、医療崩壊を防いだ医療従事者のおかげ。閉店の危機に瀕しても、休業を続けた店主や経営者の協力。外出自粛をしっかりと遵守した国民一人ひとり、日本人一人ひとりの努力と踏ん張りで、コロナ危機を乗り越えた。これが今の時代なのです。

自分で決断し、自分で行動し、自分で道を切り開いて生きていく。そんな生き方が要求される時代。多くの映画やアニメは、私たちに危機を乗り越えるヒントを与えてくれている。それをしっかりと受け取り、今日を生きる勇気にしたいです。

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