「ハマり」を改善するには、脳にご褒美を与える
第2位は『やめたいのにやめられない 悪い習慣をやめる技術』でした。
お酒にタバコ、間食、SNS、ネットショッピング……やめたいと思っていてもなかなかやめられない、そんな習慣をお持ちの方も多いでしょう。「自分はなんて意志が弱いんだろう」と悩み、苦しんでいる方もいるはずです。
そんな方は、ぜひ本書を。本書によると、自分の行動は、必ずしも自分の意志によって決められるものではないそうです。著者は、人がなにかをせずにはいられない状態を「ハマり」とし、「ハマ」り行動として定着してしまったものは、「意志」では簡単に変えることができないのだといいます。
本書ではまず、脳の中で起きている「条件付けの仕組み」が解説されます。生存を支える「防御」「摂食」「生殖」の3つの活動に成功したとき、脳は「生理的報酬」と呼ばれるご褒美をもらえる。ご褒美をもらうと、その行動に至る行動が定着する、つまり習慣化する――というわけです。
例えば、「人を見れば悪口を言ってしまう」という習慣を打ち切るための方法として、要約では「私は今、人の悪口を、言わない、大丈夫」と言いながら、胸に手を当ててその手で拳を作り、親指を握りこむ方法が紹介されます。そうして「ハマり」行動の「失敗」を繰り返せば、「ハマらない」ことが当たり前の状態が定着していくのだといいます。
本書のポイントは、自分一人で行える「治療法」が紹介されている点。悪い習慣に悩む方は、ぜひチェックしてみてください。
「すごいね!」が子どもの成長にネガティブであるワケ
第3位には、『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』がランクインしました。
近年、よく耳にするようになった「モンテッソーリ教育」と「レッジョ・エミリア教育」。「聞いたことはあるけど、具体的な内容は知らない」「興味があるので、ぜひ実践してみたい」――そんな方には、ぜひ本書を。
本書では、モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育流の「親の声かけ」に注目しています。親の声かけ、つまりいかにほめるか、いかに叱るかによって、子どもは変わるというのです。
例えば、ほめるとき。「すごいね!」「お利口さんだね」は、よく使われるほめ言葉ですが、実は子どもの成長にネガティブな影響を与えかねません。「すごいね!」は具体性に欠ける、表面的なほめ方「おざなりほめ」だから。「お利口さんだね」は、性格や能力、外見といった表面上の特徴をほめる「人中心」だからです。
では、どのようにほめるのがいいか。著者はほめるときの3つのポイントとして、「成果よりもプロセスをほめること」「具体的にほめること」「質問すること」を挙げています。いかがでしょう、意外とシンプルだと思いませんか?
このように、本書では、3~12歳の子どもを対象としたほめ方、叱り方のポイントがわかりやすく紹介されています。「自分で服を着られたとき」「スーパーでだだをこねたとき」など、よくあるシチュエーションごとに適切な声かけが紹介されており、まさに今日から使える一冊だといえるでしょう。