勝手にやりとりを録音してもいいのか
いじめのみならず、パワハラやセクハラなど、さまざまな被害にあっていることを最も直接的に、わかりやすく証明することができるのが発言の録音です。
録音することがプライバシー侵害にならないかが問題となりますが、正当な目的のためであり相当な範囲であれば、不法行為とはなりません。証拠としても有用性が認められます。
その内容を外部へ知らせることもプライバシー侵害の問題となりますが、これもパワハラやセクハラ、いじめを防止するために公的な相談部署へ知らせるなど、正当な目的があり、必要かつ相当な手段を取るならば、不法行為とはならないでしょう。
ただし、その録音を使って相手に仕返しなどをした場合は、違法となる可能性があります。
録音した会話を公開すると脅して謝罪や金品を要求したら、強要罪や脅迫罪、恐喝罪にあたりますし、会話を公開して発言者の社会的地位を低下させたら名誉毀損罪にあたる可能性があります。
いじめ防止対策推進法 第4条 いじめの禁止
児童等は、いじめを行ってはならない。
お酒を飲まされて性暴力を受けたら
お酒・薬・立場を利用してのわいせつ行為は、準強制わいせつおよび準強制性交等にあたります。
サークルの飲み会で一気飲みをさせられ、記憶を失った。気づいたら、飲み会で一緒だった先輩と裸でベッドにいた。先輩は私が積極的に誘ったので性交渉したというが信じられない。
【ANSWER】
「心神喪失」とは、失神状態、酩酊状態、睡眠中、高度の精神病を患っているなどの状態です。睡眠薬を飲ませるなど、他人を心神喪失や抗拒不能の状態にさせてからわいせつな行為をすると、準強制わいせつ罪にあたります。
このようなケースでは、加害者が「合意があった」と主張することが考えられます。そのため被害者側は、自分が泥酔状態であったことを立証する必要があります。
刑事事件として立件したい場合は、できるだけ早く警察へ相談に行きましょう。飲み会のメンバーやお店の人が、あなたが泥酔状態であったことを証言してくれれば、立件しやすくなります。
罪名に「準」がついているからといって、軽い犯罪ということではありません。
準強制わいせつ罪は、正常な判断ができない状態(心神喪失)や、心理的・物理的に抵抗できない状態(抗拒不能)を利用して、わいせつな行為をすることです。
準強制わいせつ罪は、強制わいせつ罪とは違って、暴行や脅迫がなくても成立します。