先輩に追い詰められて泣き顔になっている新入社員がいる。なぜそんな問題社員が野放しになるのか。人材育成コンサルタントとして、ハラスメント行為者へのカウンセリングを専門に行う松崎久純さんは「性格に問題がある人は、小さいころから、しつけにだらしのない親(あるいは周囲の大人)に育てられているものです。それ故に、もし管理者が注意をしても、反抗的な態度をとり事態が改善しないのです」という――。

新入社員に無計画に仕事を振る同僚女性の身勝手なふるまい

30代前半の同僚(女性)が、高卒の新入社員(女性)を忙しく働かせ、毎晩残業させています。残業代は支給されないにもかかわらずです。この同僚は、とにかくバタバタと、新入社員のことを考えず、無計画に仕事を振るので、見ていられません――メーカー勤務の男性から受けた相談です。

部下を叱る女性上司のイメージ
写真=iStock.com/yamasan
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ただの小言か悪口にも聞こえるかもしれませんが、私にはこの男性の話すことがよくわかります。20年以上も前ですが、まったく同じ経験をしたからです。

私が見たケースでは、同じく30代の女性社員が、自分の裁量で好きなように新入社員を動かせるのが嬉しいのか、一日中やたらと張り切って、職場では不適切なほどの大声で話したり、バカ笑いをしたり、連日好き勝手にやっていました。

その一方で、アシスタント業務を担当していた新入社員は、次から次へと思いつきで振られる仕事と、30代の女性社員の遠慮のない振る舞いに疲弊していました。

その新入社員の表情は、わずかの期間のあいだに、入社して配属されたばかりの頃とは違う「泣き顔」に変わっていたのです。

無計画な仕事のしわ寄せが従順な新入社員に降りかかる…

30代の女性社員は、もともと計画的に仕事を進めることができないため、すべての仕事スケジュールは押され気味で、時間は常に後ろにずれ込んでおり、急な変更も多く、そのすべてが新入社員に、毎日の残業という形で押し掛かっているのでした。

ふてぶてしい30代の女性社員と、従順で泣き顔の18歳の女性社員――これを見て何も感じないほうが不思議でしょう。

私に「見ていられない」とこぼした男性の知る新入社員の女性も、同じように泣き顔になっているのではないかと想像します。

なぜなら、たとえ30代の女性社員の振舞い方が同じようであっても、新入社員が平然としていたり、逆に気が強く、反発するようなタイプであれば、特にかわいそうに見えるものではないからです。

自分の娘や姉妹が、会社や嫁いだ先などで、泣き顔で過ごしているところを想像できるでしょうか。そんなことは決してあってほしくないはずです。

会社や家族として迎え入れた側も、来てくれた人がそんな表情で過ごすことにはならないよう、気を遣うのが普通でしょう。

しかし世の中には、この30代の女性社員のように、そんなことは気にしないだけでなく、むしろ泣き顔で従う部下や後輩を自分の手足のように使うことを快楽と感じる人もいるのです。