性格に問題がある人が組織に居続けるのはなぜなのか。人材育成コンサルタントとして、ハラスメント行為者へのカウンセリングを専門に行う松崎久純さんは「上司がいじめNGというコミットメントをする気がない、あるいは、できないからだ」という――。

「性格に問題のある人たち」が皆の膨大なエネルギーを使っている

「学校じゃないんだから、いじめを解決するなんて仕事はやってられない!」と言い放った上司がいます――会社内のいじめに苦しむ若い女性従業員から寄せられた相談です。

「性格に問題のある人」が、他の多くの従業員にストレスを与え、その言動への対処に、皆が莫大ばくだいなエネルギーを使っています。その人の言動が嫌で退職する人も出てきます。それでもなぜ、その「性格に問題のある」本人たちは、組織に居続けられるのでしょうか。

これは組織の上層部が、性格に問題のある人がいること、性格に問題のある人によって他の従業員が苦しむことを「気にしていない」ために起こります。私のようにハラスメントの行為者へカウンセリングをする専門家でなくとも、誰にでもわかることでしょう。

世の中には、性格・人格に問題があり、まともな話が通じない人がいます。

人生ではじめて出会った「性格に問題がある人」は教師だった…

私がはじめて、性格に問題があり、話が通じない相手だと思ったのは、小学校3、4年時の担任の女性教師でした。

新卒で教師になったばかりの人でしたが、日頃から言動が暴力的で、私もこの教師からはよく暴行を受けました。後頭部を後ろから思いきり殴られたり、私の腹が出ているのがみっともないと言って、みぞおちを結構な力で叩いてきたりといったことが頻繁にあったのです。

また、一度は教室である生徒の首を絞めて失神させ、ぐったりしたその生徒の様子に驚き、「死んだかと思った~」と大声を上げて取り乱していたこともありました。

この教師は、子供の目から見ても、「話し合って何とかなる相手」でないことがわかる目つきをしていました。

不機嫌な教師
写真=iStock.com/Stolk
※写真はイメージです

小学校5、6年時の担任は年配の女性教師でしたが、この教師は、今日でいうハラスメント行為がひどい人でした。

算数の問題が解けない生徒たちを「どうしようもないバカ」と呼び、「さん、にい、いち、ゼロ、ドカ~ン全員バカ」などと、言ってのけるのは日常的で、この人の非常識な振る舞いは、まとめれば図鑑にできそうなほど、多種多様なものがありました。