企業が絶対手放さない人材とリストラされる人材の違いはどこか

筆者は、これまで教育評論家として上場企業の人材研修を多数行ってきましたが、そのとき人事部の社員と話題になるのが次の3つのタイプなのです。

<タイプ1>仕事から学ぼうと思っていない人

このタイプは、仕事は仕事として割り切っており、与えられた仕事以上のことについては考えないタイプ。また、できる仕事はマニュアル化されたルーティンワーク止まりで、特にそれ以上動こうともせず、学ぼうとも思っていません。

<タイプ2>仕事中しか学ばない人

2つ目のタイプは、与えられた仕事をきちんとこなすことに加え、向上心も備えている人です。仕事に関係することはマジメに学び働くというタイプ。周囲からも信頼されます。いわゆる世の中の常識人と言われる人たちがやっているスタイルで、勤務年数が長ければ、徐々に昇格していくタイプです。タイプ1~3の中ではこのタイプが一番多いことでしょう。

実際、このタイプは職場でも円滑な生活を営むことができ、戦力としては悪くありません。しかし、このタイプの人は、非常時においては生き残りが難しくなる可能性があります。なぜなら、仕事という枠を超えた思考ができないからです。

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ちなみにこの<タイプ2>には次の3つの特徴のいずれかがあります。

a)「両立」という言葉をよく使う
仕事とプライベートをきっちり分けて考えています。思考回路も2つの異なる時間で異なるものになっており、そのため「両立」という言葉がしばしば出てきます。

b)「気合い」「根性」「努力」が是という考え
これらの言葉の背景には、「やりたくないことも、気合で行け!」という精神論があります。こうした精神論のみで21世紀のテクノロジーの時代を生き抜くのは至難の業でしょう。

c)トップになれない自分を責める
<タイプ2>は、全体的に大きな失敗をすることもない代わりに、大きな成長もしません。そのため自分が周囲の期待に沿えない場合、自らを責めるか諦めの念を持つことがあります。人によっては<タイプ1>に格下げになってしまう人もいます。