なぜ、ひとり暮らしの女性が食費に月9万円超も使うのか

それを実現するには、毎月の支出の仕方を変え、わずかでも貯金ができるようになってほしいもの。ご本人も下げられる支出を知りたいということで、家計表から毎月の支出を振り返っていきました。

食費(月9万2000円)は単身者としてはかなり高額です。理由を尋ねると、「恥ずかしながら、あまり自炊したことがなくて、外食中心なんです」とのことだった。最近は、会社帰りに飲食店に立ち寄って注文するメニューの単価も高額化した上、コンビニでお菓子やスイーツを買って、スマホで動画や海外ドラマを見ながら食べることが最高の癒やしになるそうです。

急にこうした食習慣はなかなか変えられないかもしれませんが、少しずつ自宅で食事をとる回数を増やすことにしました。ただ、すぐさま炊飯機を買って、鍋を買って……となると作らなければならないプレッシャーがきついということなので、せめて総菜などを買って食事をする回数を増やし、コンビニ利用率を減らすことにしました(月7万1000円に減額)。支出の大幅な削減できませんが、今後さらに食事の工夫をしたいと思えることを期待します。

総合的に月4万5000円の支出削減に成功し、赤字家計脱出

交通費(月2万1000円)は大部分が通勤費なので現状維持です。娯楽費(月2万8000円)はなんとなく購入してしまうネットショッピングでの支出がメイン。自由な時間はインターネットを見ていることが多く、つい目についたものを買ってしまうのだそうです。ここは利用できる金額の上限を作るなどして、支出額の制限をかけることにしました(月1万5000円)。

通信費(1万8000円)は自宅でのインターネット環境の維持とスマホだけに絞り、固定電話は解約することにしました(9000円に減額)。このスマホも、自宅にいればWi-Fi環境で利用できますし、通話はあまりしないということでしたので、格安スマホに変えました。

また映像系のサブスク(定期購読)も利用頻度の多いものだけを残し、あとは解約することにしました(2万4000円→2万2000円に減額)。

このようにして、全体的に4万5000円ほどの支出を削減することができました。無理や苦痛を感じて削減するわけではないので、この状況は継続できそうだと田中さんは話します。

収支の状況としては、月5000円ほどの黒字が出ることが多くなったという程度ではありますが、赤字補塡のために貯金を使う状況よりはずっとよくなりました。

次の誕生日から特別支給の老齢厚生年の受給が始まると、毎月10万円近くを貯金に回していけるでしょうし、年金受給しながら働くのであれば、生活をある程度楽しみつつ、貯金額を増やしていくことも可能でしょう。