④対策の実行
行動計画を決定し、実行する。

⑤対策の再評価と修正、変更
行動計画が実施された後、効果が上がっているかを絶えず評価しながら、追加の対策を行ったり、計画を修正したりする。

⑥記録を残し、次の危機に備えての準備をする。
危機が終息したら、計画と行動の評価をして、すべて記録しておく。それが次の危機に備えての道しるべになる。

スピードを徹底するから対応できる

問題は、危機の際にはいずれも時間をかけずに行うことだ。情報の収集に2日間かけて、評価に2日間かけて、それから対策を立てるのに1週間もかけていたら、とても間に合わない。ひとつの段階が終わらなくとも、情報収集をしながら、評価し、対策を立てて実行しなければならない。

トヨタの場合は情報の収集から対策の実行、修正まで、すべて対策本部で完結させている。毎日、会議を開いて、その場で即決し、現場に指示して実行してしまう。トヨタの危機管理が何よりも重要視しているのはスピードだ。危機対応でもトヨタ生産方式における「リードタイムの短縮」を肝に銘じているのだろう。

※この連載は『トヨタの危機管理』(プレジデント社)として2021年に刊行予定です。

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