ズームも知らない社内の抵抗勢力

20年は仕方なくウェブ面接を実施するところが多かったが、21年からはリアルな対面の面接に戻るのではなく、積極的にウェブ面接を取り入れる企業が増えることも予想される。実際、「戻すべきじゃないものは戻さなくてもいいのでは」という意見も多い。

ウェブの特徴を上手く活用するのはIT企業に一日の長がある。会社の雰囲気を伝えるのに、VR(バーチャルリアリティ)を使い、社内を見られるようにしている企業もある。最終面接は実際に会社を訪問するわけだが、これはオンラインとオフラインを上手く使い分けている例だ。

しかし、企業のなかにはウェブによる面接・採用に対する抵抗勢力が存在しているのも事実で、50代以上の経営幹部たちであることが少なくないようである。

「50代以降だと『話をするときは膝を詰めるのが常識』という感覚があるんです。若い人事担当者は頭を抱えています。まずはそういう部長や役員をウェブの画面の前に引きずり出してこなければなりません。聞いた話で笑ったのは、『ズーム』という単語を聞いて『THE BOOM(ザ・ブーム)?』『なんだ「島唄」のロックバンドの話か?』というやり取りがあり、ガックリしたというものです。ズームとブームとの区別もつかないんです」(冨樫氏)

これからはウェブ採用をモノにした企業が採用で優位に立っていく。逆に言えば、そこに適応できない企業は生き残れないということでもある。

冨樫篤史(とがし・あつし)
識学新規事業開発室室長
1980年、東京都生まれ。立教大学卒業後、ジェイエイシーリクルートメントに入社し、管理職、幹部クラスの人材斡旋に従事。識学には2015年に参画。大阪営業部を経て現職。著書に『伸びる新人は「これ」をやらない!』がある。
 

吉井伯榮(よしい・はくえい)
行動分析心理学者
1953年、群馬県生まれ。客員教授を務める武蔵野学院大学で、毎年100%の就職内定率の実績をあげる。一般社団法人日本パーソナルコミュニケーション協会代表理事も務める。著書に『Fラン大学でも東大に勝てる逆転の就活』。
 
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