「仮交際」の割合は、通常30%→オンライン50%
長い外出自粛期間がようやく明けた。飲食店などが続々と営業を再開する一方、感染第2波がやってくる心配もある。積極的な外出はまだしばらく避けたい昨今、テレビ会議やオンライン授業、オンライン飲み会など、画面越しでの対話に抵抗がなくなってきた人も多いのではないだろうか。
そんな中、お見合いという社交の場でもオンライン化が浸透しつつある。すでにいくつかの結婚相談所では、結婚相手を探す男女をウェブ会議で引き合わせる「オンラインお見合い」を始めている。
婚活サービスの大手IBJが4月にオンラインお見合いを開いたところ、「仮交際」に移行する会員の割合が50%に上った。1~3月に対面で実施したお見合いよりも20ポイント近く上回っており、画面を介した顔合わせの方が男女の交際移行率が高い傾向にあるというのだ。
実際に会う場合と何がそんなに違うのだろう。6万人以上の会員を抱えるIBJに話を聞いた。
2組に1組は「また会いたい」と回答
全国に直営・加盟相談所を持つIBJは各都道府県からの休業要請を受け、新規入会を一時制限し、オンラインでの既存会員サポートに比重を置いた。緊急事態宣言期間中は対面形式のお見合いを避けるため、8割近くのユーザーがオンラインお見合いを行ったという。
オンラインお見合いのやり方はいたって簡単だ。IBJの専用アプリで会員の顔写真とプロフィールを確認し、双方が「会ってみたい」とマッチングすれば相談所の仲人がウェブ会議をセッティングする。当日はオンライン上で対面し、40分~1時間程度2人でおしゃべりするというもの。終了後はそれぞれの仲人によるヒアリングを行い、2人がこの先も会うことに同意すれば「仮交際」が成立する。
ここでいう仮交際とは、一般的な交際とは違い「相手のことをもっと知りたい」と思っている期間のことを指す。仮交際の期間中は他の会員ともお見合いが可能で、いろんな相手とのやりとりを経て1人の相手と付き合う「真剣交際」の段階に進んでいく。4月のオンラインお見合いではこの仮交際が成立した割合が50%、つまり2組に1組は「また会いたい」とお互いに好感触をもったことになる(IBJ直営相談所で4月18、19日に開いたオンラインお見合い316件を集計)。