南九州・沖縄の高感染率要因を「ファクターZ」と名づけ関心喚起せよ

感染の再拡大の特徴が、以上に述べたように、主に都心部を中心とした拡大、しかも感染経路不明を多く含む市中感染の拡大であることから、新型コロナ感染対策のポイントは、「都心的生活よ、さようなら。非都心的生活よ、こんにちは」ということになろう。

すなわち、このような感染拡大が長く続くのであるならば、人が密集して営む都心的生活を自粛し、リモートワーク、リモートライフ、ネット通販や田舎暮らしなど非都心的生活を充実させる「新生活創造」が対策の基本となろう。

しかし、それだけでは十分ではない。都心部的な拡大以外の感染拡大にも注意を払わねばならないのである。

上記⑤については、沖縄だけ、あるいは福井だけが高いのではなく、南九州・沖縄全域、北陸全域で感染率が高い(高かった)点に、何らかの共通要因の存在が予想される。

日本の新型コロナ感染率、死亡率が欧米諸国などと比較して格段に低い理由について、ノーベル賞を受賞した山中教授は「ファクターX」と名づけ、その理由を明らかにすることが、新型コロナの感染対策にとって重要だと訴えている。

これが「ファクターZ」か。九州南部・沖縄にキャバクラ店舗数が集中

そうだとすれば、6月までの北陸3県、7月の南九州・沖縄地域で感染率が高い要因を、それぞれ、「ファクターY」「ファクターZ」と名づけ、各界の関心を喚起したいところである。「ファクターZ」については、沖縄における最近の感染拡大を例にして、GoToトラベル・キャンペーンの影響という説も出そうだが、いまのところ明らかでない。

大都市の都心部には大きな夜の街(繁華街)が立地しているという特色があり、それが最近の感染拡大に大きく寄与している可能性がある。そして、地方圏にそれが当てはまらないかというとそうでもない。

警察資料から「20歳以上人口10万人当たりのキャバクラの店舗数」(2016年)を調べてみると、沖縄、および九州南部の鹿児島、熊本、宮崎は、全国順位が、それぞれ、1位、2位、6位、7位と高いのに対して、九州北部の大分、佐賀、長崎は、それぞれ、36位、43位、45位と対照的に低くなっている(ちなみに福岡は5位)。これを「ファクターZ」と考えるのは早計だろうか。