新型コロナ感染拡大の勢いが止まらない。統計データ分析家の本川裕氏は「6月までの累計感染者数と7月の感染数を比較すると、宮崎・鹿児島・沖縄の感染率(人口10万人あたりの感染者数)が急激に増えている。『ファクターZ』と名づけ、関心を高めるべきだ」という——。

愛知、福岡といった大都市が「東京圏」のミニチュア版に

わが国における新型コロナの感染状況は、4月に急増した後、いったん収束に向かうと見られたが、6月末から7月に入って、再度、感染が拡大し、第1のピークを越えて、なお、増加の勢いが止まらない。

こうした新たな動きを受けて、今回は、新型コロナの地域別の感染状況の現状を国内地域間の比較と海外との比較で追ってみたい。

国内における新型コロナの感染状況を地域別の動きとしてとらえるために、まず、「東京圏」「大阪圏」「その他」の3地域に分けて感染者数の推移を図表1に示した。

新聞・テレビでは、感染拡大の中心となっている東京における毎日の新規感染者数の推移を棒グラフで報じたのち、全国の動きを同じ棒グラフであらわすのが定番となっているが、ここでは、国内全体の眺望を同時的にとらえるため、生活圏が一体である東京圏や大阪圏について、それぞれ、各圏域を構成する都府県の積み上げグラフとして感染者数の推移を示している。東京圏、大阪圏以外の地域はその他として一括し、主要地域を表示した。この3つのグラフで国内全域がカバーされている点がミソである。

東京とその周辺の県を含む「東京圏」の動きが、やはり、全国の中でも感染拡大の中心的な地位を占めている点が、まず、目立っている。

感染の再拡大がはじまった当初は、全国の中でも、東京の感染拡大ばかりが目立っており、以前、菅義偉官房長官の「東京問題」だと決めつける発言が物議をかもしたが、現状では、グラフを見れば一目瞭然である通り、「大阪圏」、そして愛知、福岡といった大都市を中心とする地域が、東京圏のミニチュア版として、類似した再拡大の動きを示していることが明らかになっている。

それとともに、第1波の感染拡大の時には、目立っていた北海道や北陸3県におけるような、特定のクラスターの動きに影響された個別地域における特異な感染拡大が、7月の再拡大ではあまり見られなくなり、大都市圏中心の感染拡大となっていることも見て取れよう。