3大メガバンクも2026年までに計3万人超の削減

すでに業務効率化のツールとして注目されているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)がホワイトカラーの定型業務を次々と代替している。

RPAとは、AIとML(機械学習)を活用し、人間が担っていた定型作業をコンピュータに処理させて自動化する“事務ロボット”だ。

最大の特徴はオフィスワークのルーティン(定型)業務を代替できること。社員が携わっている業務をルーティン業務と非ルーティン業務に仕分けする。具体的には業務を個々のタスクに分解し、そのうち代替可能なタスクをRPAが担う。それによって業務の効率化が向上し、社員は非ルーティング業務に集中できる。

金融・保険業界を中心に多くの業界で事務系の定型業務がRPAに急速に代替されつつある。また、これまで生命保険業界が多く抱える営業職はAIなどに代替されにくい職種とされてきたが、コロナ禍で対面営業ができなくなり、リモート対応に切り替えている。だが新規顧客の獲得は難しく、技術革新を含めた新たなビジネス手法が求められている。

一方、日本の3大メガバンクは合計で3万人超の業務・人員を2023~26年までに削減する方針を打ち出していたが、こちらも前倒しで一気に人員削減が進む可能性もある。

テレワークができない「年収500万円未満」の人のクビが危ない

今後、AIの進化で失われる仕事に加えて、コロナ禍によってなくなる仕事のキーポイントが「テレワークできる仕事」と「できない仕事」である。

コロナ危機によってアメリカではテレワークできない仕事に従事する人が職を追われ、逆にテレワークできる仕事に従事する人は収入も含めて影響を受けないという実態が顕著になっている。

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また、テレワークできない人、つまりテレワーカビリティの低い人は中・低所得層に多く、コロナ危機によって格差が拡大しているとの指摘もある。

労働政策研究・研修機構の調査では、日本でも在宅勤務に早期に移行した人は労働時間も変わらず、収入を維持した人は高所得層(年収700万円以上)に多く、逆に在宅勤務に移行できず、労働時間や収入が低下した人は所得が低い層(500万円未満)に多い。