苦味をコントロールしたいなら瓶や缶でビールを飲む

第三のビールや発泡酒ではなく、ビールを飲みたいというビール初心者の方におすすめの方法があります。なんと、ビールは注ぎ方でも苦味を和らげることができるのです。

キリンビールの研究結果によれば、泡を立てる(立て泡)ことによって、ビールの苦味成分(イソα酸)が泡の方へ移行し、液はまろやかな味わいになることがわかっています。

ちまたでは3度注ぎなどが流行っていますね。これは、注ぎ方で苦味をコントロールしているわけです。しかし、多くの飲食店では通常、生ビールの注ぎ方をコントロールできません。この方法は、「手酌」で加減できる瓶や缶のビールでおすすめの方法です。

この方法で注いだビールを実際に味覚センサーで測定してみると、苦味が約19%(大多数のヒトが苦味の違いを認識できる濃度差)も減少していることがわかりました。苦味をそのまま感じたときのほうが良いか、苦味を泡のほうに抜いたほうがいいかは完全に好みです。その時の気分や食事のシーンで変えられますので、臨機応変に対応できると食の選択の幅が広がることでしょう。

ビールのおいしさを味わえないため、おすすめはしませんが、冷やしていないビールを飲んでみてください。冷やしたものにくらべ、苦いことがわかります。酸味や塩味は、温度の変化をあまり受けない傾向にありますが、うま味・甘味・苦味は、体温と同じくらいの温度のときに強く感じます。

温かいと味を感じやすいのは、味の伝達に体内の酵素が関与し、多くの酵素が体温付近で活性化しやすいからといわれています。逆に、夏によくあるキンキンに冷やしたビールの苦味をあまり感じないのはそのためです。もちろん冷たい飲み物やデザートを食べていると舌の温度が冷えて味覚感度が低下してしまいますので、温かい飲み物で戻してあげるのも、食事をおいしく食べるテクニックの一つです。

思い切ってゴクゴク飲むと苦味を感じにくい

飲み方でも味をコントロールすることは可能です。苦味が苦手な人ほどビールをちびちびと飲むかと思いますが逆効果です。思い切ってゴクゴクと飲んだほうが苦味を感じにくい傾向にあります。どのようなからくりが潜んでいるのでしょう。

実は、舌には味を感じやすい部分があります。舌先・舌横・舌奥には味蕾みらいが多く存在し、舌の中央にはほとんど味蕾はありません。舌中央には痛覚の神経も少ないことから熱さにも鈍感で、猫舌でない方はここをうまく使って熱いものを飲んでいます。

さあ実際にビールを飲んでみましょう。うまく舌の動きと液体の流動を感じながら飲んでみてください。飲み物の量や種類、グラスの厚みや大きさ、つかみ方などによって、舌の動きやあごの角度、手の角度が変わることがわかるでしょうか。

これをうまく応用しましょう。つまり舌先を使わず(舌先を下前歯の裏に隠し)、あまり味の感じない舌中央に液体を落とし飲み込む「ゴクゴク飲み」は、自然と味が薄く感じるのです。