ビールは「甘味」も大切なポイント

さあ、30秒たちましたか? この「甘味を感じない舌」でビールを飲んでみましょう。少しショックを受けるかもしれません。苦味や酸味を前面に感じ、苦味の少ないビールの銘柄は酸っぱくて水っぽく、そして苦い哀れな味わいになってしまうことでしょう。しかし今後は苦味以外にも甘味や酸味などが含まれていて、そういった味わいも探しながらビールと向き合うことができます。これはいかに我々がビールの味わいのポイントは「苦味である!」と思いこんでいるかを戒めてくれる体験でもあります。この「甘味を感じないギムネマ舌」はさまざまな場面で活用できますので覚えておくと良いでしょう。

さあ主役の苦味の登場です。苦味の強さや質でもビールの選択は変わってきます。

店頭にさまざまな種類が所狭しと並ぶビールですが、まずは「プレミアム・クラフトビール系」「一般的なビール」「発泡酒・新ジャンル系」の3種類におおまかに分けて比較してみましょう。

製品種類別ビールの苦味濃度

図表1は一般的なビール11品の苦味の平均値を100%としたときの苦味濃度をしめした棒グラフです。20%異なると大多数の人が全然違う味と認識するレベルの差です。ちなみにプレミアムビールというジャンルはありませんのでビールの酒税範囲かつ値段が高いものや、メーカーがプレミアムとうたっている商品の総称ということで扱っています。

苦味が苦手な人は発泡酒や第三のビールを試すといい

プレミアム・クラフトビール系のものは苦味が強いものが多く、発泡酒・新ジャンル系は苦味が弱いことがわかります。前者はホップが多く含まれるので、苦味が強くなっています。発泡酒・新ジャンルは、コスト的にホップを減らしていることや、カロリーオフや糖質、プリン体をオフするために除去しなければならない物質があることで、軽い味わいになっているのでしょう。発泡酒や新ジャンルで、軽い味の苦いものをつくれば、これまでにない新しい商品になるかもしれませんが、よくよく考えると苦い薬を水で飲んだときのような味わいで、バランスが悪いのかもしれませんね。

苦味が苦手だけれどビールにチャレンジしたいという方は、発泡酒や第三のビールとよばれるものを試してみると良いかもしれません。