ロシアでは小学校高学年から第二外国語を学ぶ

近年、英語教育が世界的に重視されていますが、ロシアにおいても同様の傾向が見受けられます。実際、私の両親が学生だった頃は、小学校4年生頃から英語が授業の一環として行われるようなカリキュラムとなっていましたが、現在では多くの学校で小学校低学年から英語の授業が行われるように教育方針が変わってきています。

そのうえ、ロシアの多くの学校では、小学校高学年から英語学習とは別に第二外国語(フランス語やドイツ語等)を学ぶような授業が展開されています。この点、日本では多くの方が第二外国語(英語以外の言語)を大学で初めて学んでいることからすると、ロシアの語学学習は、幼少期から開始する点で特徴的だといえるのではないでしょうか。

もっとも、幼少期からの語学学習に力を入れているにもかかわらず、世界的にみて、まだ英語の能力はそこまで高くはないのが現状です。実際、100カ国における英語の能力を比較したEF・EPI英語能力指数のランキングにおいて、2019年のデータでロシアは48位です(なお、同ランキングにおいて、日本は53位となっています)。

英語教育に力を入れているロシアですが、私自身、ロシアで英語を学習したわけではなく、基本的には地元である仙台の国公立の学校に通いながら、英語を学習してきました。

入学後3カ月で破綻したインターナショナルスクール

私は小学校5年生の頃、以前仙台にあったインターナショナルスクールに在籍していたことがあります。この学校は、ネイティブの先生が外国人や日本人にすべての教科の授業を英語で行うことが特徴でした。そこで、両親は、学校にいる間、ネイティブスピーカーと英語漬けの日々が送れることに魅力を感じ、入学金と1年分の授業料を払い、私をこのインターナショナルスクールに入学させました。

写真=筆者提供
インターナショナルスクールの入学記念に祖父と1枚

ところが、通い始めて3カ月すると、このインターナショナルスクールは突然閉校となりました。後になって水道管が未整備であったこと、校舎建設費4億円や校地代1億円相当を未払いで開校したことが判明しました。理事長は、多くの保護者が先払いした授業料を返済せず、新聞で問題が報じられると姿を消しました。

この経験があったからこそ、後に私は弁護士を目指すようになり現在に至るのですが、当時の私としてはそれどころではありません。このインターナショナルスクールに入学する際、当時通っていた公立の小学校の友達に最後のお別れかのような盛大な送別会を開いてもらっていました。それもあり、3カ月後に再び同じ学校に戻る際はどのような顔をして戻ればよいか、本当に悩みました。

もっとも、このような心配は無用でした。担任の先生やクラスの友達は戻ってきた私を嫌な顔一つせず快く迎えてくれ、そのおかげで私は無事に元の生活に戻ることができました。

しかし、全てが元に戻ったわけではありません。先払いした授業料は一切返済されず、両親が非常に落ち込んでいたことを今でも覚えています。それ以降は二度とインターナショナルスクールの話が家庭内で出ることはありませんでした。