その研究を含む4つの研究結果をまとめたメタアナリシスによれば、白米の摂取量がお碗1杯(158グラム)増えるごとに、糖尿病のリスクが11%アップしました。この研究では、白米の摂取量が増えるにつれて、糖尿病のリスクも上昇するという相関関係が見つかりました。つまり、健康のためには、白米を食べるのはなるべく控えるのがいいと、結論づけられるわけです。

とはいえ、米は日本人の主食。「米を食べるなと、今さらいわれても無理」という人も少なくないでしょう。そこで、どうしても米を食べたいという人は、白米の代わりに、玄米を食べるようにするといいでしょう。

バターとオリーブオイル、どっちが健康に良い?

オリーブオイルとナッツ類

日本伝統の「和食」は、「ヘルシーフード」としても今や世界中で注目されているようですが、実は、健康効果のエビデンスが世界で最も強いのは、イタリアやスペインのような地中海沿岸地域で食されてきた、「地中海食」だということをご存じでしょうか。魚とともに地中海食のメーンの食材となるのが、オリーブオイルとナッツ類ですが、それら2つの食材に、健康効果のカギがあることがわかったのです。

では、地中海食とオリーブオイル、ナッツ類には、どのような健康効果があるのでしょうか。

世界でも権威のある医学誌として有名な『ニューイングランドジャーナル』に2013年、地中海食の健康効果を確かめた、ランダム化比較試験の結果が掲載されました。その試験では、喫煙歴があって、心筋梗塞などを発症していない約7500人の糖尿病の患者さんを、①地中海食(表を参照)の栄養指導を受け、1週間ごとに約1リットルのオリーブオイルをもらうグループ、②地中海食の栄養指導を受け、ミックスナッツを1日当たり30グラムもらうグループ、③地中海食の代わりに、低脂肪食の栄養指導を受けたグループに分けました。

約5年間追跡調査したところ、③に比べて、①は、1日当たりのオリーブオイルの摂取量が50グラム多く、②は、1日当たりのナッツの摂取量が25グラム多かったそうです。そして、脳卒中や心筋梗塞になり、それらによって死亡するリスクは、③に比べて、①は30%、②は28%も低下したのです。脳卒中のリスクだけに絞ってみると、③に比べて、①は33%、②はなんと48%も減っていました。さらに、地中海食によって、乳がんになる確率が57%も減るという研究データも示されたのです。