「伝える」という行為は夫婦のジョギングと同じ

話の「間」はどのようにとればよいのでしょう。次のような意識を持つとよいと思います。

数学コトバ(※)の両脇に1秒の「間」をつくる。

もっとも実践しやすいのは、一文を話し終えたときです。本書でご紹介したフォーマットに当てはめてみましょう。

短文→(間)→数学コトバ→(間)→短文

話には「間」があったほうがいい。誰しもわかっていることです。しかし、「間」をとれと漠然と言われてもどうしていいかわからないものです。

そこで、ルールをつくりましょう。次ページのようなわかりやすいルールがあれば、格段に実践しやすくなります。

・短文にし、話し終えるごとに間をとる
・数学コトバを使ったら間をとる

私は「伝える」という行為は夫婦のジョギングと同じだと思っています。

会話には話し手(夫とします)と聞き手(妻とします)がいます。ふたりは並んでジョギングをしています。もし、健脚の夫が自分のペースで走ったら、妻はついていくのがやっとになります。最終的には走ること自体がイヤになってしまうかもしれません。まさにマシンガントークを聞かされているときと同じです。

しかし、夫がちょっと先に進んだらペースを緩め、妻を待ってあげるようにしたらどうでしょう。妻は安心してずっと一緒に走ることができます。

言うまでもなく、聞き手を待つ行為が「間」をとることです。ちょっと離れたらすぐペースを緩めて合わせるのが夫婦のジョギングのコツ。話も同じです。私がこの章で再三、短いことは重要だと申し上げる理由はここにあるのです。

夫婦のジョギングを意識して、1秒の「間」をつくる感覚を身につけてください。

※「たとえば」「つまり」のように「思考を促すコトバ」のこと。詳細は前回記事に記載。