大学教師が突然「YouTuber」になるということ
新型コロナの影響で、多くの大学が遠隔授業を余儀なくされた。筆者が勤める長浜バイオ大学でも、3月上旬に遠隔授業の検討が始まり、同月下旬までには、学長主導のもと「すべての授業を遠隔で実施する」ことが決定した。準備には時間がかかったものの、当初の学年歴から2週間の遅れで、4月20日から開始することができた。全国的にみれば、かなり早いスタートが切れたと思う。
遠隔授業が始まってから、すでに2カ月以上が経過した。この間、われわれ教員は、はからずも「YouTuber」としての生活を余儀なくされた。すでに全国で緊急事態が解除されているが、本学では原則として6月いっぱいは、遠隔授業を継続することが決まっている。おそらく他大学も似たようなものだろう。
しかし大学教授がYouTuberになるとは果たしてどういうことか。
遠隔授業の方法は大きく2つ
遠隔授業の方法は、大きく「リアルタイム型」と「オンデマンド型」の2種類に分かれる。
①リアルタイム型
こちらは遠隔会議と同じである。教員も学生たちも、Webカメラで自分の顔を映しながら、授業を進めていく。本学では、教職員の遠隔会議用に、マイクロソフトのteamsが導入されているが、遠隔授業にも利用してよいことになった。しかし実際には、通信環境の制約などから、多人数の授業は難しい。せいぜい数十人までが限界だ。研究室のゼミなどには適しているが、通常の講義には、ほとんど使われていない。
②オンデマンド型
これは「YouTube型」と言い直してもいい。講義動画をサーバーに置いておき、学生たちは自分の都合に合わせて視聴する。ネットワークの制約を受けにくく、学生側が受講しやすいことなどから、本学ではこの方法が標準として採用された。結果的に、全教員がYouTuberとしての生活をスタートさせることになった、というわけだ。