※本稿は、深沢真太郎『数学的に考える力をつける本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

国連が「国際ガールズ・デー」に制定した2015年10月11日、都内で開催されたイベント「羽ばたけ!世界の女の子」のトークショーに参加したジャーナリストの池上彰さん(東京都渋谷区の国連大学)
写真=時事通信フォト
国連が「国際ガールズ・デー」に制定した2015年10月11日、都内で開催されたイベント「羽ばたけ!世界の女の子」のトークショーに参加したジャーナリストの池上彰さん(東京都渋谷区の国連大学)

池上彰の話はなぜ、聞き手に伝わりやすいのか

意識するだけで、伝える内容が劇的に「わかりやすい」という評価に変わるポイントがあります。もちろん私も普段から実践していることです。

それは、「少しだけ『』をとる」ということです。

「少しだけ」では人によって解釈が異なってしまいますから、具体的に「1秒」としましょう。ただし、厳密に1秒間というより、イメージで理解してください。

たとえばテレビ番組でおなじみのジャーナリスト・池上彰氏の解説です。どんな伝え方をしているでしょうか。非常に論理的かつ短い文章で伝えているのに加え、適度に「間」をとってゆっくり伝えているのではないでしょうか。

あなたの周囲には、早口で話が長いうえに論理性がなく、何を言いたいのかわからない人がいると思います。本人はマシンガントークと自称しているが、周囲からは煙たがられているタイプです。

そんな人と比べるにつけ、池上氏の伝え方はなんとわかりやすいのかと感嘆するに違いありません。池上氏の伝え方のポイントのひとつが、「間」なのです。