ペット霊園を検討するなら注意したい点
冒頭で紹介した、国内における愛犬・愛猫の飼育数は、15歳未満の子どもの数1533万人よりも多い(2020年4月1日現在、総務省推計)。
少子高齢化が進み、人間の墓を「墓じまい」するのも珍しくない一方で、今後、ペット霊園の需要は拡大するだろう。そうなると、業者側も利用者側も注意したい点がある。
前述の石田氏はこう語る。
「お墓はその家で使っていますが、たくさんのお墓が集まる霊園は『使用者の共有スペース』です。墓埋法では人間の遺骨は、基本的に霊園に埋葬するので、一般的に墓所は人が眠る場所です。私個人としては、ペットを人と共に供養し、埋葬することに賛成ですが、墓所の使用者には動物が嫌いな人もいる。動物の遺骨が近くにあることで宗教感情を損ねることもあるでしょう。
日常生活の中でも、公共空間では犬にリードをつけるなど、ペットと人間が共生するためのルールがあるように、霊園を『さまざまな死者が眠る公共空間』と考えれば、ペットと共に眠るための一定のルールが必要だと思います」
また、大野屋は墓の選び方について指摘する。
「ウィズペットでは、一般的な区画と同じように、お墓のデザインもお客様のお好みに合わせてご提案させていただきます。愛犬や愛猫の写真や、足あとをかたどった彫刻を施すなど、家族同然だったペット達への愛情が込められたお墓が多いです」
コロナ感染した著名人死去の報道もあり、死生観を考えた人もいるだろう。葬儀の形式が昔とは様変わりしたように、「ペットと一緒に永遠の眠り」を考える人も増えそうだ。もちろん、その際にはルールとマナーも考えたい。