ベジブロスとは、フィトケミカルが多く含まれているものの、普段なら捨ててしまう野菜の皮やヘタ、茎などの部分や切れ端を煮出すスープです。使う野菜は何でもよく、ニンジンや玉ねぎの皮、ブロッコリーの茎などをたっぷりの水と一緒に鍋に入れて沸騰させ、20分ほどぐつぐつ煮る。ざるで濾したらできあがり。
このスープには、例えばニンジンならカロテン、玉ねぎならケルセチンといった、野菜に含まれる栄養成分が溶け込んでいます。
煮出すことで野菜の細胞内にあるフィトケミカルが細胞外へ溶け出すため、吸収効果も断然よくなります。スープはそのまま飲むのはもちろん、みそ汁やカレーのベースになる万能だしとして使えます。また、ヨーグルトや豆乳に加えることで、栄養素の詰まったヘルシードリンクとして手軽に楽しむこともできます。
正しい食習慣を身につけて、免疫力を高めていくことが大切
さて、ここまで免疫を高める食事についてお話ししてきましたが、「免疫と食」といった際に気を付けなければならないのは、短絡的な情報です。未知のウイルスを前に不安の募る人たちの間では、どうしても「○○を食べれば免疫力が上がってコロナに罹りにくくなる」といった情報が拡散されやすくなります。
ひとたびテレビなどでこうした情報が報じられると、スーパーからその食材が姿を消すといった現象さえ起きますが、免疫力は何かを食べればたちどころに養われるというものではありません。体は食べたものでできていますから、インスタント食品やファストフードで済ませるなど普段の食生活が乱れているのに、これらの食事に納豆だけプラスしても焼け石に水です。
新型コロナウイルスとの闘いは長期戦です。今から正しい食習慣を身につけて免疫力を高めていくことが大切です。