午後4時には仕事を終える国の働き方

堀内都喜子『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(ポプラ社)

第7位は『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』。フィンランドといえば、教育や福祉制度が整っていることで知られています。事実、フィンランドは国連の世界幸福度ランキングで3年連続の第1位を獲得しており、一人あたりのGDPも日本より高いです。それにもかかわらず、タイトルのとおり、ほぼ全員が午後4時に退勤しています。

フィンランドの習慣を、日本にそのまま適用するのは難しいでしょう。しかし残業が常態化する日本の企業が、フィンランドから学べることはいくつもあるはずです。

フィンランドでは新型コロナウイルスの流行以前から、在宅勤務の割合が3割でした。また、父親の8割が育休をとっています。今後の働き方について考える機会が増えている今、有益な知見が得られる一冊です。

アイデアを実現する「畳み人」のすごさ

設楽悠介『「畳み人」という選択』(プレジデント社)

最後にご紹介するのは、第8位『「畳み人」という選択』です。多くの場合、脚光を浴びるのは壮大なアイデアを語るリーダーですが、彼らのアイデアを実現へと導いていく「畳み人」がいなければ、優れたアイデアでもけっして結実しません。

本書はそんな「畳み人」としてのキャリアを開花させる方法を記したものです。イノベーションが求められる現在、どんな業種でも「畳み人」のニーズは高まるばかり。また、目の前のアイデアを畳むうえで磨かれた技術や人とのつながりは、「本当にありたいこと」を実現する際にも大いに役立ちます。

「畳む技術」は、ある意味で究極の仕事スキルです。「畳み人」としての仕事哲学や実際の仕事の進め方、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルを身につけたければ、ぜひ本書をご一読ください。

前述したように、2カ月連続で『人は話し方が9割』が上位にランクインしました(第3位→第2位)。第1位の『言語化力』と合わせて、コミュニケーションを主題とした書籍が上位を占めたことになっています。その他、『哲学の世界へようこそ。』(第15位→第18位)も先月から引き続き読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、注目です。

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