不況になれば犯罪は増えるのか
今回のコロナ禍の後には大恐慌が待っていると指摘する専門家は少なくない。不況と犯罪には関連性はあるのか。
「犯罪の種類によっては関係があるでしょう。たとえば、殺人や傷害のように他人の生命身体を侵害するような犯罪であれば、不況が犯罪発生率に大きな影響を与えるとは思えません。
一方、窃盗や詐欺などの財産犯については、影響があると考えられます。窃盗については、先ほども述べたように、不況が招く貧困が動機の形成に大きく影響を与えると個人的にみています。詐欺についても、なにか社会的な事変が起きるときには、その事変自体が詐欺師にアイデアを提供する結果となるでしょう。
経済的に苦しくなれば、その経済状況を一発逆転するために、詐欺師の話にだまされやすくなる人もいます。今回は外出自粛という特殊事情が関わっているので犯罪の発生が増加するとはいえないですが、不況という点に焦点を絞れば、増える犯罪もあるので注意が必要です。
外出自粛で間違いなく増えるのは、経済活動が大幅に縮小されるため、特に中小企業の資金繰りは業種によっては非常に厳しくなってきます。国や知事から休業の要請を受けている業種については、労働者に対する賃金未払い、売掛金が回収できないというトラブルが増えることは予測できます」
予期せぬ不安は、よからぬ犯罪を招いてしまうこともある。今後も気を引き締めて生活をしていきたい。