オーバーシュートに「感染爆発」の語議なし

オーバーシュート
予測以上の感染者急増。感染爆発。英語のovershootは「通り越す」「行き過ぎる」などの意味で、それ自体に「感染爆発」の語義はない。新型コロナの感染拡大以前は、有価証券価格の「行き過ぎた変動」を指す言葉として、金融市場で用いられることが多かった。

ロックダウン
「都市封鎖」と訳される。緊急時、交通網を止めるなどして強制的な出入り制限を行うこと。日本では、新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)にロックダウンへの言及はないため、諸外国のような厳密な意味での都市封鎖はできない。

クラスター
集団感染や、それによってできた感染者の集団。新型コロナウイルスにおいては、スポーツジムやライブハウスなどがクラスター発生源となった。

アウトブレイク
限られた狭い範囲で疾病が急増すること。その範囲は相対的なものであり、明確な区分けはない。新型コロナの流行が武漢にとどまっていたときの状態や、特定の病院内での感染者急増などを指す。

エピデミックとパンデミックの違い

エンデミック
予測の範囲内において、一定の地域・一定の罹患率で感染症が広がること。風土病もエンデミックの一種。

エピデミック
予測の範囲を超えて、一定の地域や集団において感染症が大量に発生すること。

パンデミック
世界的流行。予測の範囲を超えて、複数の地域や国にわたって感染症が大量発生する状態。

インフォデミック
「インフォメーション(情報)」と「エピデミック(流行)」を組み合わせた言葉。不安定な状況下で根拠のない情報やデマが拡散されること。

ゾーニング
感染者がいる病院内などにおいて、感染領域と非感染領域を区分けすること。新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の「清潔ルート」「不潔ルート」は、きちんとゾーニングができていないとしてTwitterを中心に波紋を呼んだ。

エピカーブ
流行曲線。発症時刻と患者数のグラフ。

WHO
世界保健機関(World Health Organization)。「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関。新型コロナウイルスを含め、感染症対策の指針を発信している。


COVID-19
新型コロナウイルス感染症の正式名称。「Coronavirus Disease, 2019」(2019年にコロナウイルスにより発生した病気)の意味。

※編集部註:初出時、COVID-19を「新型コロナウイルスの正式名称」としていましたが、正しくは「新型コロナウイルス感染症の正式名称」でした。訂正します。(4月21日18時23分追記)