まったく危機感がない夫に絶望

【Case3】危機感のない夫に愛想を尽かした妻

4年前にはじめての出産、現在は妊娠7カ月を迎えるC美さん(35歳)は、コロナ騒動をきっかけに、11歳年上の夫に対してハッキリと嫌悪感を抱きはじめたという。原因は、夫の危機感のなさにあると話す。「今これだけメディアでも伝えられているのに、新型コロナウイルスに対し、夫はまったく無頓着。一緒に買い物に行っても、マスクをしないうえに花粉症のせいで大きなクシャミを頻発。まわりの人からにらまれても平気で笑っている無神経さに肩身の狭い思いをしていた」と憤慨するC美さん。

もっとも気になるのは帰宅後、C美さんが注意をしないと夫は手も洗わないという点。「自分は鈍感だから気にならないかもしれないが、4歳の子供に対して配慮がないのが許せない。これから下の子が生まれてくるのに、家にウイルスを持ち込まないようにしようという考えもないのかと思うと本気で腹立たしい」

4歳の子供が「パパ、ちゃんと手をゴシゴシして」

C美さんの頭に離婚という文字が浮かんだのは、3月上旬のこと。C美さんの夫は、異動するスタッフの送別会と称して飲み会を強行、深夜に帰宅後、そのままC美さんと子どもが寝ている布団に一緒に潜り込んで寝ていたのだった。

朝目が覚めたC美さんが見たのは、通勤時と同じ服で汚れた靴下を履いたまま、子どもの覆いかぶさるようにしてイビキをかきながら眠っている夫の姿だったという。「ウイルス対策云々の前に、とにかく汚くて臭い夫のことが生理的に嫌になり別れるしかないと思った。子供まで汚されるようでたまらなかった」。

その日以来、夫の顔を見るたびに嫌悪感を抱いていたC美さんだったが、先日、洗面台の前で子供が夫に真剣な顔で話しているところを偶然目撃した。「パパ、ちゃんと手をゴシゴシして。そしたら、ママと仲良しだよね?」と夫に懇願する子どもの横顔を見て反省。夫婦の問題で子供に気を遣わせて申し訳なかった、という気持ちになったという。

夫に対する愛情は薄れることがあっても、子供たちにとっては大切な父親である事実は変わらない。そう考えることで、子供を持つ夫婦が離婚の危機を回避できるケースは少なくない。