パートナーと良好な関係を築くには何が必要なのか。マクアケ社外取締役の勝屋久氏は自身の経験から「自分の本当の気持ちを無視して女性と接していると、うまくいかない。『こうしなければいけない』という考えから解放されると楽になる」と説く――。

※本稿は、勝屋久『人生の目的の見つけ方 自分と真剣に向き合って学んだ「倖せの法則」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

Couple having a good time in outdoors
写真=iStock.com/Yagi-Studio
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「こんなもの」程度の夫婦関係で"倖せ"なのか

夫婦や、仕事においてのパートナーとの関係性について、課題はつきものだと思うが、僕の場合も夫婦の関係が人生において大きなテーマだった。

僕は40代の頃から意識が外側から内側に向かうように変わったからか、僕たちを含めて「世間の夫婦の関係性」に違和感を強く感じ始めた。前妻に「倖せ?」と尋ねたら、「まあ倖せだよ。こんなものなんじゃない?」と彼女が言った言葉が、その当時どうしても受け入れられなかった。

僕は人生を「こんなもの」にしたくないと怒りが湧き、それをまた抑え込んだものの、違和感は残ったままだった。それは自分の怒りを彼女に投影していたからだった。つまり、それまで僕自身が「こんなものなんじゃないか」と自分に言い聞かせ、どうにかやり過ごしてきていたのだ。

でも、意識が内側に変わり出したことで、彼女が僕の抑圧の蓋を開けてくれた。何度か話したものの、今振り返ると、当時はまだまだ上っ面なコミュニケーションしかできず、結局、僕の一方的な話や言い訳になるような話し方になったのだと思う。本音は別のところにあったのだが、会話は観念ベースで、相手に対して自動反応で返答したり、傍観者になったり、相手を説得しようとしたりして、結局、会話そのものがまったく嚙み合わなかった。そして僕は逃げる形で別居し、離婚をした。47歳のときだった。