「あらねばならない」という考え方はもうやめよう

ここでようやく、母親というフィルターを通してパートナーを見ていたことに気づいた。つまり僕は、目の前のパートナーを見ているようで、まったく見ていなかった。そのことに気づいたときは、本当に愕然とした。

その後、母親フィルターを意識化できるようになり、その都度、外すことを繰り返し、今では解放された。「男はしっかりしなければならない」「男は優しくあらねばならない」という母親の理想の男性像に囚われなくなると、本当にリラックスして彼女と接することができるようになった。

それまでは、「こうあらねばならない」が前提だったので、ただの自動反応だったり、役割の優しさだったりしたが、今では自分とつながって、「優しくしたい」「大切にしたい」という自分の愛がベースで関われるようになった。

何より彼女の機嫌や顔色を怖れることもなくなった。この変化は僕にとっては大きかった。本当に、楽になった。

男性によくありがちな「逃げ癖」

パートナーを通して自分と向き合い続けると、さまざまな見たくない自分が明らかになってくる。その一つが、何かあると逃げる癖だ。

夫婦関係で揉めたとき、揉めそうになったときの対処法は、ついつい面倒くさくなったり、お互いに冷静になるときを待ったりと、人によっていろいろあると思うが、僕の場合は、無意識に心のシャッターを降ろし、自分とつながらないようにして逃げること。自分の中に閉じこもったり、実際に部屋にこもったり、家を出たり。とにかく、その場から逃れたくなるのだ。そして、関係性を絶ち切りたくなる。これも程度の差はあれ、前妻とも祐ちゃんとも同じことをやってきた。

あるとき、それについて二人で話していたときに、やっと冷静に考察でき、僕の逃避行為は自分の怖れの感情を相手に知られないようにするためだと気づいた。

逃避行動は自分とつながらせようとしない自分のエゴであり、自分の人生を生きることを妨げている行動パターンだと腹落ちしてからは、怖れの感情を抱きながらも、そこに巻き込まれずに、彼女と意識的に対話できるようになった。