英語話者にキレられない、妥当な反対意見の言い方

2 相手へ気を遣いながら反対意見を述べる

Agree to disagreeという表現があります。「反対の意見を持つこと自体に同意する」という意味で、筆者が勤めた最初の外資系企業で聞き、その後も職場やリーダーたちのスピーチに登場しました。

考え方や意見の多様性を尊重し、大切にする姿勢が表れています。違う意見から学ぶものもあり、物事を別の視点から見られ、改善にもつながることがあります。

反対意見を言う時は、その理由を述べ、diplomatic and kindであることを心がけます。ちなみにここで言うdiplomaticは「外交上の~」の意味ではなく、人を責めたり攻撃しないように言動や行動に気を配れる人を表す言葉です。このagree to disagreeのマインドセットとdiplomatic and kindな態度で、「誰にでも意見を持つ自由があり、それを認める」ということを示します。

また、伝え方にも気を配ります。一方的に自分の意見を言う、直接的でぶっきらぼうな表現を使う、相手の逃げ場がなくなるように追い詰めたり責める、ということをしないよう、表現方法に注意します。

本書で紹介するクッション言葉を用いた表現や、言いにくいことをやんわりと言うための表現を参考にして、ご自身の意見やアイディアを発信してみてください。相手に反対の意見を述べるときは、場面に応じて次のような流れで対話を進めましょう。

相手へ気を遣いながら反対意見を述べる方法
A:相手の意見を受け入れ、共感する・理解を示す
I understand what youʼre saying.
おっしゃっていることは理解しています・よくわかります。
I see what you mean.
おっしゃっていることはわかります。
I understand your point.
おっしゃっていることは理解できます・よくわかります。
相手へ気を遣いながら反対意見を述べる方法
B:自分の考えを述べる、提案する、代替案を出す
(Iʼm afraid) I have a different opinion on that.
(恐れ入りますが、)私は違う意見です。
I see it from a different perspective.
私は違う見方をしています。