「セントラルキッチン」もプログラミングで説明できる

レシピや材料が全く同じでも、味にはどうしても差が出るはずだし、食材の調達に下ごしらえ、調理という過程は高級レストランと変わらない。なのになぜ、フランチャイズのレストランでは、全国どこでも割安で、均一な味の料理を提供できるのでしょうか。

清水亮『増補版 教養としてのプログラミング講座』(中公新書ラクレ)

この難問をクリアするために、多くのフランチャイズ店では、「セントラルキッチン」方式を採用しています。

それぞれのレストランからほぼ等距離の地点に、食材の調達から下ごしらえの加工まで一手に行う大規模な厨房を設置。毎日そこから各レストランへ向け、下ごしらえの終わった食材を送る。これならフランチャイズ全体の食材を一気に大量に仕入れることができるため、仕入れコストが下がります。

下ごしらえも一度に行えば、熟練した職人による味の均一化を図ることもでき、価格を下げ、味を均一なクオリティに保つこともできます。そのうえ、各レストランでは最低限の調理しかしなくてよいため、かかる時間も短縮できる。これが「セントラルキッチン」の利点です。

このセントラルキッチン、プログラマーなら先に述べた分割統治法とパイプラインの複合技として捉えられるかもしれません。このように、実社会のさまざまな仕組みが、プログラミングという視点を通じて説明でき、またプログラミングの概念が、実社会のさまざまな局面にも応用可能だといえるのです。

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