親が本を読まなければ、子供も読まない

誤解しないでいただきたいのは、読書をすることは意味がないと言っているわけではない。読書は、知らない世界を知ることができるし、言葉や表現を学ぶこともできる。ぜひ、子供にはたくさん本を読む機会を与えてほしい。そして、多くの親は、子供に本を読ませたいと思っているはずだ。

ところが、そう言っている親が、本を読んでいないということがある。よく「先生、おすすめの本は何ですか?」と聞かれることがある。小学生の子供にぜひ読んでほしいのが、『ウナギ 大回遊の謎』(PHP研究所)という本だ。日本ウナギの生態についてとても分かりやすく書かれていておもしろい。

こうやってすすめると、すぐに興味を持ってアマゾンで注文する家の子供は、成績が伸びやすい。聞いておきながら、親が興味関心を示さない家の子は、好奇心が育ちにくく、勉強でも伸び悩む。

子供を読書好きにさせたかったら、親が楽しそうに本を読むことだ。子供を勉強好きにさせたかったら、親が世の中に関心を持ち、さまざまなことに興味を持つことだ。子供は親の姿を見て育つ。親が楽しそうに取り組んでいるものに興味を持ち、それをやりたがる。子供に何かを望むのであれば、親自身が変わらなければならない。

国語力は「家庭の中」で育まれる

子供に本を渡したら、その本について親子で会話をしてみよう。どこがおもしろいと思ったかを、親子で伝え合うのもいいだろう。わからないことがあったら、親子で一緒に考えてみるのもいい。

よく「うちの子、国語が苦手なんです」と相談にくる親は、「何をやらせればいいですか?」と聞いてくる。しかし、国語は、算数のようにたくさん問題を解いて身に付けていくものではないし、理科や社会のように知識を学び覚えるものでもない。なぜなら、国語力とは家庭で育まれていくものだからだ。

それは、親子喧嘩で使う言葉にも表れる。中学受験での親子喧嘩はどの家でも一度は経験することだろう。つい感情的になって叱ってしまうことは、誰にでもあるはずだ。

だが、同じ叱るにしても、国語力のある親とそうでない親とでは大きな差がつく。いつも同じ「売り言葉に買い言葉」で言い争っていては国語力は身につかない。こういう時は、こういう言い方をした方が相手に伝わるのではないか、いやこういう言い方の方が響くかもしれないといった工夫が大切なのだが、そのためには親がたくさんの言葉を繰り出す必要がある。