感染リスクを減らすたった1つの方法
さて、このように厚労省の公表文書と照らし合わせて消去法で飲食店のリスクをみていくと、最も安全なのは「テイクアウト」という結論になります。
そもそも外食チェーンでは工場から店内までそれなりに高いレベルで防疫対策がある。ですから店内に滞在する時間が少なくマスクも外さなくてもいいテイクアウトが、おいしい料理を安全に手に入れるためには最善の方法ということになるわけです。逆にいえばテイクアウトの顧客が多い外食チェーンは経営の観点でも、意外とこの時期の苦境を乗り切りやすいのかもしれません。
ただ本当のことをいうと、いつも出かける普通のお店の味も恋しくなると思います。ファストフード系ではない飲食店でもたとえば松花堂弁当のような形で、新しいテイクアウト需要に応えていただけると消費者としてはうれしいかなと思います。
同じ観点で飲食店経営の立場でもう一つ重要になるのは、テイクアウト用のアプリやウーバーイーツなどの宅配サービスとの連携でしょう。
もともとテイクアウト用のアプリが流行したきっかけはアメリカでスタバの行列がとても長かったことです。行列に並ばなくてもあらかじめアプリで予約購入しておけば、あとはお店で受け取るだけになる。ここがウイルス対策としては重要な点で、アプリを使うことで行列に並ぶこともなくお店の滞在時間が短くすむわけです。
外食チェーンはアプリ対応を急げ
そして実はウイルスが広がった中国でも、デリバリーは人気を集めているそうです。日本で勢力を伸ばすウーバーイーツをはじめ、お店側も消費者側もデリバリーを利用することで、自宅待機が広がる中での需要をつなぐという考え方は大切でしょう。
もちろん「従業員やデリバリーの配達員が感染していたらどうだ」という話はありますが、それをいい出したら自宅に引きこもって外界との接触を一切断つしかなくなるわけです。そこまで極端な対策をとれない人は、この記事で書いたように一定のレベルで外食チェーンを利用したほうがいいと思います。
3月の外食チェーンの利用方法はテイクアウトをメインにする。店舗側はテイクアウト用のアプリ対応やウーバーイーツなど宅配サービスとの連携を急ぐべき。これが今回の結論です。