今は、「感性的な鼻がきく人」、つまり「ボリューム」だけでなく、そこに掛け合わせる「質」を深く考えられる人のほうが、儲かるお店をつくることができていると感じます。

たとえばみなさんは最近、街角でどんなお店に行列ができているのを見ましたか? あるいは、実際に並んでみたでしょうか? そんな「なんとなく見た行列」や「なんとなく並んだ行列」も、「ビジネスモデル×エリア戦略」の視点から見てみると、面白いビジネスヒントが浮かび上がってくるのです。

中途半端な大きさの物件で開業できる商売

ここ最近、街中で「たい焼き店」「唐揚げ専門店」「たこ焼き店」などを見かけることが増えたと思いませんか? イートインスペースはなく、買って持ち帰る形態のお店です。

榎本篤史『東京エリア戦略』(KADOKAWA)

特に駅前エリアで見かけるようなお店は、行列になっていることも珍しくありません。みなさんも、もしかすると並ばれたことがあるかもしれませんね。一体なぜ、街角のテイクアウト専門店が人気を博しているのか、考えてみたことがあるでしょうか。

まず、こうしたテイクアウト専門の店舗は、ちょっとしたスペースで開業できるのがポイントです。コンビニはだいたい40~50坪が必要とされています。小さな飲食店でも10坪以上はないと難しいでしょう。

しかし、世の中には5坪や8坪といった中途半端な物件もあります。この小さなスペースでできる商売が「唐揚げ専門店」や「たこ焼き店」、そして「たい焼き店」といったお店です。今はここに「タピオカドリンク店」も入れられるでしょう。

「わざわざ買いに行かないもの」を買わせるには

私は以前、あるたい焼き店の調査をしたことがありました。その調査のときにわかったことは、人々がたい焼き店にどういう理由で訪れるのかというと、「たまたま」だったり、「そこに店があったから」だったりと、多くの人が「高いモチベーションを持って買いに来ていない」ということでした。

あれだけ行列ができていますし、これには驚きましたが、確かに「今日はたい焼きを買うぞ!」と意気込んで買いに行くことは、あまりなさそうですよね。たまたま通りかかった道沿いに店舗があり、「お、たい焼きか。1個買ってみようかな?」くらいの気持ちで買うのではないでしょうか。

だからこそ、これらの小スペースな店舗は立地が重要です。わざわざ行かない店、モチベーション高く買いに行かない店なので、業態としては吸引力が強くない業態ということになります。そうなると、まずは目につくところに出店するのが肝心です。