最近、「たい焼き店」「唐揚げ専門店」「たこ焼き店」などイートインスペースはなく、買って持ち帰る形態のお店が増えている。店舗展開コンサルタントの榎本篤史氏は「どれも意気込んで買いに行くものではない。それなのに行列ができるのは、立地と商品力にポイントがある」と説く――。

※本稿は、榎本篤史『東京エリア戦略』(KADOKAWA)を再編集したものです。

東京風景
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街を歩けばビジネスチャンスが見える

私は店舗開発のコンサルタントをしています。仕事柄、出店候補の街の特性を知るために調査をするのですが、そのときに、数字データだけでなく、実際にその街を歩いて知ること、感じることの重要性が今、増しています。

街は生き物のように、少しずつ変化しています。街を見れば、最近の流行はもちろん、「働く人の心理」や「人々のライフスタイルの変化」、さらには「今後どんなビジネスが盛り上がりそうか」といったことまで、透かして見ることができるのです。

出店で考えるなら、「人が多いところに出すのが絶対法則だろう」と思われるかもしれませんが、必ずしもそれだけでうまくいくとは限りません。少子高齢化が進み、新しいビジネスモデルがどんどん登場する今、「ボリュームこそ正義」だった時代は幕を閉じました。だからこそ、大手飲食チェーンやコンビニエンスストアも悩んでいます。同時に、金融関係や教育関係の企業も、「どこにどんな店舗を出すか」を真剣に考えています。