日本も韓国も核兵器を持つように

アメリカは北朝鮮有事に対して、ほぼ間違いなく、日本を守ってくれません。アメリカの内向的な態度は、この先、誰が大統領になっても変わらないはずです。したがって、いずれ日本や韓国は自国の防衛のために核開発に乗り出す必要性を感じるでしょう。欧州もアメリカ同様、もしイランが核武装したとき、近隣諸国を守ることはないと思います。

結果的に、安全保障の名目で世界中いたるところで核兵器の拡散が加速します。このまま北朝鮮を甘やかし続ければ、恐ろしいツケが回ってきます。断じて言いますが、この状況は、極めて危険で、世界平和の脅威です。

私が、米朝首脳会談で思い起こすのは、1938年のヒトラーとイギリスのチェンバレンのミュンヘン会談です。私に言わせれば、どちらも、ただの記念撮影の場でしかありません。ミュンヘン会談では、チェンバレンがヒトラーの好き勝手を容認し、まだ戦争の準備ができていなかったヒトラーに時間を稼がせてしまいました。もしも、ミュンヘン会談のかわりに、イギリスとフランスがドイツに宣戦布告していれば、あの時点の軍事力では、一夜にしてヒトラーを追い払い、人類史上最大の戦争となった第2次世界大戦を回避することができました。

トランプは北朝鮮に対して、チェンバレンと同じ過ちを犯しました。歴史に「もしも」はありません。だからこそ、私たちは過去の過ちから学び、差し迫った脅威が何であるかを考え、平和な未来のために手を打たなければならないのです。

日韓対立は幼稚、対北朝鮮の世界同盟を

30年前、国際社会はブラジルと南アフリカに核保有を放棄させることに成功しました。同じように、北朝鮮にも核保有を断念させなければなりません。そのために、まずはアメリカ、日本、中国、韓国が、ただちに同盟を結ぶことです。同盟には、オーストラリアや欧州も加わったほうがいいでしょう。国際的な同盟となって、北朝鮮に対して経済制裁や、より強度の高い制裁を加えるべきです。制裁への報復など北朝鮮側の抵抗を見据えて、武器の使用も覚悟する必要があります。

昨今の日韓対立は、非常に幼稚です。本当に幼稚だと感じています。日本と韓国は、極めて危険な共通の敵がいることを理解し、敵の思うツボにはまらないように手を組むべきなのです。

同時に、国際社会は北朝鮮だけでなく、核保有国であるインド、パキスタン、イスラエルの核放棄も実現させなければなりません。核不拡散に向けて、世界は早急に手を打たなければならないのです。20年の国際政治において最優先すべきことは、国際社会が手を携え、北朝鮮の核開発を停止させることです。

ブレグジットの原因はロンドン五輪

20年にオリンピックを控える日本に、ロンドン・オリンピックと同じ轍を踏まないよう警告したいと思います。