「ただし、過剰な配慮はあってはならない」と産経社説

最後に産経社説はこう訴える。

「米朝交渉の完全な決裂は双方が望むまい。『柔軟に対応する準備がある』(米国連大使)と協議復帰を促す言葉も必要だろう」

「柔軟に対応する」とは、北朝鮮にいつも強硬な産経社説にしては珍しい言葉である。そう思って読み進めると、産経社説はこう適度な配慮を求める。

「ただし、過剰な配慮はあってはならない。安保理で予定されていた北朝鮮の人権状況に関する会合は、米国の意向でキャンセルされた。日本人拉致の非道を世界に知らしめる貴重な機会が、米朝交渉の駆け引きで奪われたとすれば、容認しがたい」

かつて北朝鮮による日本人拉致事件をスクープした産経としては、米朝交渉の駆け引きの在り方を厳しくアメリカに問いたいのだろう。

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