同じ50代でも「働くことへの意識」は男女でかなり違う
【1:仕事やキャリア形成における50代管理職の男女の違い】
21世紀職業財団では、2019年に、「女性正社員50代・60代におけるキャリアと働き方に関する調査*」という報告書を発表しました。
*調査は、50歳時に300人以上の企業に正社員として勤務し、現在も正社員として勤務している定年前の50〜64歳の男女と、50歳時に300人以上の企業に正社員として勤務し、現在働いている定年後の60〜64歳の男女、計2820人を対象とし、男女による比較を実施。
同調査では、50代かつ管理職の男女に着目をし、キャリア形成の違いを調査しています。
キャリア形成に役立ったものとして、男性、女性ともに「職場内で仕事を通じて学んだ教育・訓練(OJT)」がいずれも約8割と最も多くなっていますが、女性は「自己啓発」(男性7.9%、女性17.5%)に熱心であることが特徴的です。
「将来的な目標を定め計画的にキャリアを考えてきたか」という問いに対しても、「計画的にキャリアを形成してきた(「そう思う」「ややそう思う」)と回答した女性管理職は52.5%と、男性管理職41.5%より多くなっています。
「計画的にキャリアを形成」した50代女性が自宅で密かにしたこと
インタビュー調査でも、50代女性管理職から下記のようなコメントが得られています。
<親に、先生にならずに就職したいという話をした時に、ずっと仕事を続けるという前提でこの会社を選ぶと宣言して入ったというのがあって。親から「教師が、女性が働き続ける上で一番いいんだ」みたいなことを中学生ぐらいの頃からすり込まれていたのですけれども、実際に大学まで行ってみると、うーん、教師はどうかなというところもあって>
<六法、弁護士試験向け、弁理士試験向けの工業系の法律は会社に入ったときからずっと勉強しましたね、専門学校とかに行って。結果的にそういうところでの法律の知識というのはビジネスの中で役に立つので無駄ではなかったです。資格とかは取っていないですが>
50代になって管理職として活躍している女性は、入社当時の20代の頃から「将来も働き続けること」を前提にキャリアを選択し、そのための自主的な勉強をプライベートの時間にするなど、継続した努力を行ってきたことがうかがえます。