安倍首相の「関与していない」は信じられるか

朝日社説は続ける。

「首相は『招待者のとりまとめには関与していない』とも述べた。しかし、朝日新聞の調べで、首相の事務所名義で、桜を見る会を含む都内の観光ツアーを案内する文書の存在が明らかになった」
「首相は13年以降、会の前夜に開かれる後援会との懇親会に欠かさず出席もしている。一連の経緯を承知していないはずはなかろう」

この安倍首相の「関与していない」との答弁は信じられるものなのか。今後の国会での安倍首相と野党との論戦が楽しみである。

「長期政権ゆえの緩みが背景にあるのではないか」

安倍政権寄りの読売新聞も、11月14日の社説で「桜を見る会中止 疑念の払拭へ政府は襟を正せ」との見出しを立て、疑念の払拭を求める。書き出しも厳しい。

「疑念を招き、開催基準を見直すことになった以上、来年度の中止はやむを得まい。安倍内閣は襟を正さねばならない」

読売社説はさらに書く。

「公私の区別が曖昧になっていたとすれば問題だ。節度を欠いていたとの批判は免れまい。長期政権ゆえの緩みが背景にあるのではないか。首相は自らを律し、政権運営にあたるべきだ」

安倍政権には長期政権ゆえの緩みがある、という指摘にはうなずける。そこを安倍首相自身が問題視していないところが深刻なのである。