安倍首相の地元支持者らを招待する「公私混同」

今年4月の開催要領によると、「招待範囲」については皇族や各国大使、国務大臣、国会議員ら以外に、「その他各界の代表者等」とだけ記されていた。

菅氏は記者会見で「予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行う」と説明し、「見直しにあたっては規模を縮小し、再来年度の再開を目指したい」と話した。

功績や功労のあった各界の人々を慰労するのが本来の目的だ。そこに安倍首相の地元支持者らがひろく招待されているというのでは、野党だけでなく、多くの国民も納得できまい。

沙鴎一歩は、この問題の本質は、長期政権ゆえの緩みや思い上がりだと考える。安倍首相は野党の批判や国民の声にしっかりと耳を傾け、深く反省してほしい。また安倍首相には桜の花に対する愛惜の情というものがあるのか、これも疑問だ。

前身は戦前の皇室主催の「観桜会」

「桜を見る会」の前身は、戦前の皇室主催の観桜会だ。戦後になって首相が招待する形に変わった。吉田茂内閣時代の1952年に始まり、政財界の関係者やタレント、スポーツ選手らを新宿御苑に招き、枡酒などで接待する。民主党政権時代も2010年の鳩山内閣で実施されたが、2011年は東日本大震災で、2012年は北朝鮮のミサイル発射の予告で中止となった。

安倍政権にかわり、規模は毎年膨らんでいた。それは今年5月の記事でプレジデントオンラインが指摘している通りだ。だが11月8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子・参院議員が「首相は後援会関係者を多数招待しているのではないか」と追及したことから、問題が大きく浮上した。安倍首相は「招待者の取りまとめには関与していない」と釈明したが、結局中止に追い込まれた。

開催要領は皇族や国会議員ら以外に「その他各界の代表者等」を対象としている。野党は「これではいくらでも拡大解釈が可能だ」と批判している。費用も2014年の3000万円から5年後の2019年には5500万円に跳ね上がり、参加者も1万3700人から1万8200人に増加した。政府は来春に向けて2020年度予算で5730万円を要求していた。