自民党内からも「運営に不透明感がある」と批判の声

事務局の内閣府によって招待者名簿が廃棄されたことも明らかになり、自民党内からも「運営に不透明感がある」との声が出た。菅官房長官は12日、招待者の選定基準を明確化する考えを表明したが、結局、翌13日になって中止を発表した。

早い対応である。政治とカネが問題となった菅原一秀経済産業相と河井克行法相の更迭も早かった。安倍首相は早期の幕引きを図り、憲法改正など手付かずの問題の審議を進めたいのだろう。

「首相の私物化許されぬ」と手厳しい朝日社説

「税金で賄われる内閣の公的な行事を私物化していると批判されても仕方あるまい。安倍首相にはきちんと疑問に答えてもらわねばならない」

こう冒頭から批判するのは、11月13日付の朝日新聞の社説だ。見出しも「桜を見る会 首相の私物化許されぬ」と手厳しい。さすが安倍首相嫌いの朝日社説である。

朝日社説は「なぜ、これほど参加者が増えたのか」と疑問を投げかけ、その後でこう書く。

「先週の参院予算委員会で、共産党議員が問題視したのが、首相や閣僚、自民党国会議員の後援会関係者の招待だった。とりわけ、首相について、都内のホテルで開かれた前夜祭に850人が出席し、当日はバス17台に分乗して会場に向かったという、今年の参加者からの情報を示し、『後援会活動そのものではないか』と追及した」

「招待範囲」の「その他各界の代表者等」について朝日社説はこう指摘する。

「この『その他』に後援会関係者が含まれるとみられるが、個々の議員の活動を支える支援者を、国全体にとって『功績・功労』があったと認めるのは筋が違うだろう」

「筋が違う」というより、これはもう詐欺だ。安倍首相は私たち国民を愚弄している。