なぜ千曲川の「つっかえ」はそのままなのか
今回堤防が決壊した、千曲川の長野市穂保付近。どうもこの決壊場所の下流先は、いっきに川幅が狭くなっているらしい。水量が増えれば、ここで水がつかえるのは誰でも分かる。にもかかわらず、なぜそのつっかえを取らないのか。
そのつっかえを取ってしまったら、下流域に多くの水が流れてしまい、つっかえがあることを前提している千曲川下流域が耐えられなくなるからだ。
もしこのつっかえを取る河川改修をするなら、河川改修の原則である、「まずは下流から」を徹底しなければならない。下流部の河川改修ができるまでは、このつっかえを取ることができないんだ。まさに下流部を守るために、上流部の河川改修が棚上げにされるということ。
下流部の河川改修は困難なので、千曲川のこの決壊した箇所は、堤防強化の対策を講じる予定だった。それが間に合わない中での堤防決壊だった。
(略)
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※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.172(10月22日配信)を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【「大豪雨」時代の治水行政(2)】なぜ千曲川はあの地点で決壊したか……知事を経験したからわかる利害調整の現実》特集です。