花王は一風変わった会社で、会議でペーパーを配る習慣がない。会議はもっぱら、スライドをプロジェクターで映しながら進められる。

これは、出席者の意識を一点に集中させるためだ。分厚い資料を配ると出席者が別々のページを読んでしまうため、意識が分散してしまう。参加者全員が意識を集中させて徹底的に議論をすれば、「よしやろう」「これは、ダメ」と、その場で結論を出すことができる。他社によく驚かれる光景だ。

<strong>花王社長 尾﨑元規</strong>●1949年生まれ。72年慶大工卒、花王石鹸(現花王)入社。化粧品事業本部長、ハウスホールド事業本部長などを経て2004年より現職。就任時は8人抜きの抜擢が話題に。
花王社長 尾﨑元規●1949年生まれ。72年慶大工卒、花王石鹸(現花王)入社。化粧品事業本部長、ハウスホールド事業本部長などを経て2004年より現職。就任時は8人抜きの抜擢が話題に。

「即断即決」のためには、提案書は簡潔にまとまっていなければいけない。映し出された瞬間、参加者全員の共通理解を得られるものである必要がある。いくら内容が優れていても、小さな文字で記されていたら、十分に理解できないうちに次のページへ進んでしまう。1項目につき普通は2行、長くて3行。これが限度だ。