平日にホテルを利用する人は、どんな客か

アパホテルは、開業時から全国展開するつもりでホテル事業に参入しました。当時、真っ先に考えたのは、ホテルをもっとも多く利用する方に愛されるホテルを建てることです。一週間で多いのは休日ではなく平日です。ならば平日の5日間に多く使われるホテルを建てなければなりません。では、平日にホテル利用する人は誰か。ビジネスマンです。

ビジネスマンの宿泊代は経費予算内で企業が払います。だから、ビジネスマン一人ひとりに出張でアパホテルに泊まってもらうためには、何か決め手がなくてはなりません。そこで、我々が考えたのが、アパホテルを利用すると決めてくれた方にお礼として10%ポイント還元を実施すること。結果、アパホテルはリピーターが増えていき、市場シェアの10%を取るまでになりました。

今後、いずれかが20%を取ることで寡占化が始まり、アパホテルは寡占化一番乗りを目指しています。しかし、今はまだホテル業界は、百花繚乱の状態にあります。それではどうやって20%を確保していくのか。

先述したように、現在日本のホテル業界では第1次オーバーホテル現象が起きています。オリンピックの需要に向けて、新興勢力が出てきている時期なのです。このオーバーホテル現象は、オリンピック開催が近づくにつれて稼働率が高まり、オリンピックのときにはやや足らない状態になります。しかし、問題はここから。オリンピック開催から1年後には需要減による第2次オーバーホテル現象が起きます。

ホテルの稼働率が下がると、約定返済ができなくなるホテルチェーンが出てきます。銀行は行き詰まったところに再融資はしませんから、こうしたホテルチェーンはリニューアル投資ができなくなる。