「ホテル稼働率80%」はあくまでも平均値
さらに、ホテルはナマモノなので故障部屋が出てくると、稼働率は下がり、新規オープンはできず、修繕費も捻出できず破綻に追い込まれる。このタイミングこそアパホテルが勝負する瞬間です。我々はこうした資金繰りできなくなったホテルを買い集めてシェアを拡大し、20%を目指していく計画です。
1つ注意してほしいのが、オーバーホテル現象とは言っても、全国にあるホテルの稼働率が80%だとしても、それはあくまで平均値だということです。
稼働率100%のホテルがある一方で50%、30%のホテルがある。つまり、オーバーホテル現象後に起きるのは、稼働率の悪いホテルから順番に切られるということなのです。我々が買うのは、そうした中で宿泊代を下げても稼働率が上がらなくなって、資金繰りがうまくいかなくなったホテルです。
なので、第2次オーバーホテル現象後にそのような複数のホテルチェーンを買収しても、高い稼働率を維持できる高いブランド力を持つアパホテルはシェア拡大のチャンスです。
(構成=鈴木俊之 撮影=横溝浩孝)