高額療養費制度

100万円の医療費がかかっても自己負担は9万円程度

▼医療費100万円の場合、約21万円おトク!

【内容】
1カ月の医療費の自己負担分が一定の額を超えた場合、超えた分が健康保険から給付される制度です。入院手術で100万円かかり、3割負担で30万円払ったとしても、一般的な所得の会社員では約9万円が自己負担限度額で、約21万円が払い戻されます。健康保険組合によっては自己負担限度額がさらに低い場合や、差額ベッド代が給付される例もあります(付加給付)。

【対象者】
健康保険に加入している人で、1カ月の医療費(自己負担分)が自己負担限度額を超えた場合

【ポイント】
・医療費の額は、医療を受けた人ごと、医療機関ごと(さらに外来と入院では別、医科と歯科は別)に計算され、それぞれで合計が自己負担限度額を超えた場合に給付の対象になる

・1カ月とは各月の1日~月末まで。1月20日~2月10日の入院で1月分が5万円、2月分が5万円といった場合、高額療養費の対象にならない(一般的な所得の会社員の例)

・1カ月の自己負担限度額は年齢と所得で異なる

・自己負担限度額を超える月が多いと自己負担限度額が低くなる「多数該当」や、家族の医療費を合算できる「世帯合算」もある

・事前に「限度額認定証」を提出すれば、窓口での支払いが自己負担限度額までで済む

【届け出先】
会社員は勤務先を通じて健康保険組合・協会けんぽ・国民健康保険加入者は市区町村(限度額認定証も同様)

医療費控除

遠く離れた両親の分も控除

▼10万円を超えた分の税金が還元

【内容】
1月~12月までに自己負担した医療費が10万円(または所得の5%)以上かかった場合、10万円を超えた分が所得から差し引かれる「医療費控除」が受けられます。所得が低くなれば、その分、所得税が安くなります。医療機関、ドラッグストアなどの領収書は保管するクセを。1年の終わりに合計いくらになったかを計算しよう。

【対象者】
自己負担した年間の医療費が10万円を超えた人

【ポイント】
・控除を受けるには確定申告をする必要がある。会社員は所得税を天引きされているので、安くなった分が還付される

・「高額療養費制度」や医療保険などで給付を受けた分は、医療費から差し引く必要がある

・生計を同じくする家族全員の医療費が合算できる。収入の多い人が申告するのが有利(収入が多いほど所得税の税率が高くなるため)。離れて住んでいても、少しでも定期的に仕送りをすればOK

【届け出先】
税務署(確定申告)