家族が遠方で暮らしている場合

気軽に利用できるのが、患者とその家族が集う「認知症カフェ」です。全国で数百カ所がボランティアなどの手で運営されています。認知症の本人と家族が訪れて、家族同士、専門職や地域の人とも交流、情報交換しながら支え合う場所として活用されています。コーヒーやお茶代程度の負担で参加できます。どこで開催しているかは、地域包括支援センターや役所で聞くことができます。

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認知症カフェよりもう少し深い関わりが期待できるのが、全国組織の「公益社団法人認知症の人と家族の会」です。地域のサロンのような形で定期的に集まり、そこで困りごとを相談し合い、悩みを分かち合うことができます。全国から通話無料でかけられるフリーダイヤルで電話相談も受け付けています。また、この会のホームページでは、認知症の専門医を検索できるようになっています。介護者はとにかく孤立してしまうことが多いので、こういう形で介護者同士がつながり、支え合うことは重要だと思います。

民生委員が機能している地域なら、民生委員が本人や家族の相談相手になってくれることがありますし、高齢者の見守りをしてくれる場合もあります。

全国社会福祉協議会にも、判断能力が十分でない人が地域で安心して生活を送れるようにする「日常生活自立支援事業」というサービスがあります。福祉サービスの利用やお金の管理を手伝ってくれたり、通帳・権利書などの保管、入出金の代行など、判断能力に不安のある人が使うサービスです。1時間当たり1000円程度かかりますが、家族が遠方で暮らしている場合は、知っておいたほうがいいでしょう。

一方、理想論として「高齢者は地域で見守るべきだ」といわれることがありますが、ご近所といっても善意の人ばかりではないことに注意すべきです。認知症の人に、そうとわかっていながらたくさん買い物をさせたり、悪徳工務店が勝手に家に上がりこんでリフォームをしたり、という悪い例もあります。「地域に委ねる」だけではいけないのです。

▼孤立しがちな家族こそ支え合いを

(構成=生島典子)
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