非弁行為と同様、誇大広告が問題!?
弁護士法違反で罪に問われるのは業者だけだが、利用者にもリスクはある。業者から退職の申し入れがあっても、会社は申し入れが本当に本人の意思かどうか確認できず、手続きを進められない。そのまま会社に来なくなれば、無断欠勤で懲戒処分になるおそれもある。もちろん不当解雇だと争うことは可能だが、そうなると弁護士の出番。そもそも何のために退職代行業者を使ったのかわからなくなる。
ならば、最初から弁護士に依頼するのがベターだが、「退職に伴う諸問題の解決に手間がかかり、業者との価格競争になると割に合わない」(住川弁護士)と、弁護士側もこの領域に積極的でない。
「すでに退職代行市場ができあがっている今、実際に摘発される可能性は少ないでしょう。ただ、懲戒解雇リスクも含めて説明が不十分で、『即日退職可』と誇大広告を打つ業者も目立つ。現状では非弁の件と同様、不適切な広告も大きな問題。今後はガイドラインをつくるなどして業界を管理する方向にいくのではないでしょうか」