1店舗当たり2000人程度が妥当な数字だとわかる

さらに別の角度、人口からも見てみよう。コンビニ1店舗当たりの商圏にどれくらいの人が住んでいるのかを計算してみる。東京都の人口は約1384万人だから、「1384万÷7300≒1896人」。つまりコンビニ1店舗当たりの商圏に約1900人が住んでいるということだ。もちろん昼間の人の多さや、どのくらい車の通行量や人通りがあるのかも考慮しなければいけないが、これがコンビニ経営での採算ベースの1つの水準と考えられる。

ちなみに全国規模で見ても、日本の人口約1億2000万人に対し5万店舗だから、「1億2000万÷5万=2400人」となり、先ほど計算した値に近い。1店舗当たり2000人程度が妥当な数字だとわかる。ただし、地域差があり、都市部と郊外などではライフスタイルも違うため、あくまで1つの目安ではある。

いかがだろう。東京都に7300店舗のコンビニという漠然とした数字が、面積や人口という別の視点を加えることで、よりリアルなものとして実感をもってとらえることができたのではないだろうか。これが私が提唱する「データセンス」なのだ。複雑な計算をしなくても、今回のように簡単な割り算だけでも、その数字が持ついろいろな意味を読み取ることができ、マーケティングのセンスを磨くことにもつながる。

(構成=田之上 信)
関連記事
本についてる"13ケタの数字"が持つ役割
サンマルクがスタバほど支持されない理由
スシローと差「くら寿司」一人負けの理由
イタリア人が日本で必ずイタ飯を食べる訳
"ゆめタウンの男"が店で必ず繰り返す質問