「試着感覚という意味では、ECサイトで購入して、気に入らなければ返品するというやり方もあります。しかし、日本人は真面目で、一度買ったものを返品するのに抵抗感を持つ人が多い。欧米や中国のECサイト返品率は2~3割ですが、日本は1割以下。そうした国民性に、最初から返却することが前提のサブスクは合っている」

コーデを代わりに決めてくれる新機能も好調

コスパより、時短につながるベネフィット。顧客が求めるものは当初の想定と違ったが、メチャカリは新たに分かった顧客ニーズに合わせてサービスの改善を続けてきた。

例えば今年6月から、QRコードを利用してファミリーマートやオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」から返送できるサービスを開始。送り状を書く必要はなく、時間を気にせず返却できるのはありがたい。

梱包された商品

18年10月に導入した「パーソナライズスタイリングAIチャットボット」にも注目だ。これはアプリ内の行動履歴を基に、ユーザーに合わせたコーディネートをAIが提案するというもの。「メチャカリのアイテムは1万点以上で、借りたいものがない状況は考えにくい。ただ、忙しい人にとっては、借りたいアイテムが目の届くところにあることが重要。じっくり選ぶ時間がない人も、これならすぐに好きなアイテムを見つけられます」

チャットボットを使っている人の会員継続率は、未使用の人より高いという。これもメチャカリが“ショッピング大好き”派より“時短”派にウケている証左だろう。

時間と資源のムダを嫌う価値観にフィットした

メチャカリの利用が広がる中で、澤田氏が感じている消費のトレンドがもう一つある。倫理的に正しいことを重視する「エシカル」だ。

「1980~90年代は高級ブランドの時代でした。その反動として2000年代はファストファッションが隆盛して、安く買って使い捨てにする文化が広がりました。その罪悪感から、いまは資源をムダにしないエシカルな価値観が広がり始めており、メチャカリもその文脈で利用されています」

メチャカリで貸し出すのは新品だが、返却後は中古品として二次流通市場に回される。その売り上げはメチャカリ事業に計上され、アイテムの補充やサービス改善に使われる。資源としてもビジネスとしても、エコサイクルができている。

メチャカリが人気を集める背景には、効率的にファッションを楽しみたいニーズと、資源のムダを嫌うエシカルな価値観があった。消費者がサブスクに求めるものは何か。サブスク化に乗り出すなら、それを見誤らないことが重要だ。

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